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ピンクリボン運動をきっかけに。一年を通して、ブレストアウェアネス運動は続いていきます

年間を通して、ブレストアウェアネス運動は続いていきます

オンラインがん相談サービスCancerWithでは、ピンクリボン月間に合わせて「乳がん」をテーマにしたブログ記事を公開しています。今回は、CancerWith認定アドバイザーで看護師の上鵜瀬麻有さんに「ブレストアウェアネス」について寄稿していただきました。

上鵜瀬麻有

上鵜瀬麻有
CancerWith認定アドバイザー・看護師
がん化学療法看護認定看護師、学会認定がん医療ネットワークナビゲーター

自分自身のからだに関心を持つ、「ブレストアウェアネス」とは

ピンクリボン月間に指定されている10月は、様々な患者団体や企業の啓発イベントや、ランドマークタワーのライトアップ等の記事を毎日のようにオンラインで見かけます。

少し前までは「乳がん啓発」といった呼び方の方が聞きなれているかもしれません。最近では、「ブレストアウェアネス」という言葉も認知されてきました。

自分自身の乳房の状態に関心を持ち、セルフチェックを行うことを指します。日ごろから、自分の胸の状態を把握していれば、異常を感じた際に放置せず、医療機関を受診する行動に移すことが可能です。

前回の勝俣先生の対談にもあったように、早期発見・早期治療だけがピンクリボン月間のすべてではありません。

▼ 前回の対談
「早期発見すれば大丈夫」は言いすぎ。勝俣範之先生に聞く、ピンクリボン運動の功罪と「がんに勝つ」考え方の問題点

ピンクリボン月間をきっかけに、ブレストアウェアネス運動を続けていっていただきたい。それが乳がんをサポートする側、そして乳がん経験者の願いです。

最新のがん統計のまとめ*1によると、生涯のうちに2人にひとりが、「がん」にり患する時代となり(がん種はさまざま)、さらに女性の9人にひとりは、生涯のうちに「乳がん」にり患すると報告されています。

また、ブレストアウェアネスは、女性だけのものではありません。大切な家族のことを想う時間を持つとともに、男性でもごく稀に、乳がんと診断される方がいますので、ご自身のからだの異変がないか、時折、目を向けてほしいのです。

ある男性は、「どうして、男なのに乳がんになるの?ずっと、薬の副作用でおっぱいが腫れているのかと思ってた。いや、でも信じられない。どうなるの、俺?」と呆然とされたそうです。

そして、手術が決まったものの、身内にも職場にも打ち明けるのに相当勇気が必要だったそうです。(プライバシー保護のため、内容を改変しています。)

がんによるからだの変化を受け入れること

話は変わりますが、「がん」の疑いがある場合、精密検査を行い、がんの進行具合や顔つきに合わせて、治療方針が決まります。

また、患者さんのライフスタイル(仕事、趣味、大切にしていること、サポートしてくれる人の有無等)にも十分配慮します。

抗がん剤と聞くと、未だに強い吐き気というイメージをお持ちの方が多いのですが、吐き気や便秘をはじめとする、「がん」の治療に伴う不快な症状を和らげる、支持療法が進化しているので、多くのかたが治療と従来の生活が両立できる時代となっています。

さらには、病気が診断された時点から、身体のつらい症状の緩和、診断された時から治療中、経過観察中、残念ながら再発した際に起こり得る、様々な心の変化に対応する、緩和ケアも普及されてきました。

私が乳がん患者さんと初めて出会ったのは、外科系混合病棟に勤務していた時でした。

入院から退院まで、受け持ちとなった患者さんは、腹直筋(おなかの筋肉)を用いた乳房再建術を受けるため入院して来られました。

「がんは治ったけれど、胸が無くなるのは受け入れられなくて。お金がかかってでも、がんに罹る前に近い姿に戻りたい」と話され、複数回手術を受けられていました。

この方との出会いの時期は、乳房再建術が保険適用される前だったので、全額自己負担となった入院費の請求書を知った時は大変驚いた記憶があります。

胸を喪失すること、自分のからだにきずができることは、年齢や性別問わず、お一人おひとりによって、受け入れるまでの時間やプロセスが異なります

がんとともに生きること、誰かに話を聴いてもらうこと

中堅の看護師となり、外来通院治療センターで出会った方は、研究職のプロジェクトリーダーで、夫婦共働きでした。

家事、子育て、プロジェクト、通院と、それぞれを両立するのに大変苦労され、治療終盤に差し掛かるにつれ、表情が曇っていきました。

がんと仕事の両立支援をしている企業はたくさんありますが、彼女の職場では前例がなかったようで、特定の上司以外の同僚との関係性に悩まれていました。

「今までの仕事量では、治療後は体力的に辛く、プロジェクトリーダーでいられなくなるかもしれない。」

「抗がん剤の影響で、ウイッグを使用しているので、治療前と見た目はほとんど変わりない。見た目は元気なので、体調が悪くても理解してもらえず、涙が出そうになる。」

「つらい時は助けてほしいけれど、弱いところは見せたくない。」

私は、彼女が点滴治療中、ベッドサイドに伺っては、ただただ、その声に耳を傾けていました。

また、(その方の)住まいからさほど遠くない距離にある、がん相談支援センター、患者会の情報を提供したり、「信頼している方がいらっしゃれば……部署や職位は関係なく、お悩みを打ち明けられる気持ちが整ったら、私に話してくださったように、打ち明けてみてはいかがでしょうか?」と伝えたこともあります。

それから約半年ほど経ったある日、手を振りながら歩み寄ってくる彼女がいました。無事に約1年半に及ぶ術後補助化学療法を終え、定期通院の日だったのです。

ふたりのお子さんやご主人の協力を得ながら、家庭生活を送れていること、仕事も休まず通えていると話されました。

そして、
あの時、ただ話を聴いてもらえたことがどれだけ救いになったことか
「思い切って、ひとりの先輩に打ち明けてみたら、実は社内に、がんで治療していた方、今も治療している方が複数いらっしゃることがわかって。みんな元気に働いているのを見て元気が出たんです」
「もう大丈夫。がんになって胸を失ったけれど、治療の副作用で沢山悩んだけれど、私の足でしっかり前へ進めそうです」
「乳房再建はいまのところしない予定だけど、悩んだらまた相談しようと思います」
と、近況を話してくださいました。

地域や病院の規模によって差はありますが、院内や地域のがん相談支援センター、患者支援団体、医療費の助成制度等、多くの社会資源、そしてピアサポーターや社会労務士など、「がん」治療と生活の両立のために共に伴走してくれる人的な資源も多くあります。
 
知らないがために、苦しいばかりの療養生活を送り続けることのないように、だれもが利用できる資源を活用しながら、あなたらしい生活を送り続けられるようになってほしい、それが長年の願いです。

どんな些細なこともご相談ください

とはいえ、検査から診察、治療、調剤薬局までには少なくとも半日から一日掛かりで、通院のあとは仕事や家事、子育てもあって、相談したくても時間的余裕がない方が大多数ではないでしょうか?

ある方は、「こんな些細なことで相談してもいいのだろうか?」と悩み、通院日に不安や疑問を相談できず、モヤモヤを抱えたまま帰宅され、仕事も家庭も治療もモヤモヤ続きで苦しかった」と話されました。

誰かに相談したり、話し相手になってもらうことで、つらさが少し軽くなったり、気持ちが楽になることもあります。

もしも、がんと診断され、治療や生活でお悩みを抱えていらっしゃる方は、CancerWithの相談サービスを、ぜひご利用ください。

CancerWithを利用する

「がん」と診断され、治療前を予定している方、治療を受けている方、治療はひと段落したけれど、お悩みを抱えている方、どなたでも匿名でご利用することが可能です。

実際にがん経験者で患者支援活動に携わっているアドバイザー、がん治療に携わった経験のある看護師など、複数のアドバイザーが在籍し、皆さまの不安やお悩みをともに考えていきます。

10月はピンクリボン月間。CancerWithでは乳がん患者さんを応援しています

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